ヘーベルハウスの気密性は低い？C値と評判、向上策を解説

ヘーベルハウスでの家づくりを考えたとき、「長く安心して住める頑丈な家」というイメージがありますよね。でも、インターネットで情報を集めていると「ヘーベルハウスは気密性がちょっと…」なんて声も聞こえてきて、少し不安に感じていませんか？

ヘーベルハウスの欠点は何なのか、特に住み心地に直結するC値や断熱性能については、しっかり納得してから進めたいもの。中には、断熱材入ってない、なんて気になる噂を目にすることもあるかもしれません。

快適な暮らしのためには、気密施工や気密テープを使った丁寧な作業が欠かせませんし、オプションで断熱材の追加ができるのかも知っておきたいポイントです。また、実際に気密測定をしたらどんな数値になるのか、理想とされる断熱等級6や断熱等級7のレベルと比べてどうなのかも気になるところ。

気密性の良いハウスメーカーはどこなのか、気密性の高い家ランキングや各社の気密性C値ランキングを参考に、他の選択肢とも比較してみたい、と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安に一つひとつお答えしていきます。ヘーベルハウスの気密性の真実から、性能をさらに高めるための具体的な方法まで、分かりやすく解説しますので、ぜひ家づくりの参考にしてくださいね。

ヘーベルハウスの気密性｜評判と性能の実態

• ヘーベルハウスの欠点は何と言われるか
• 「断熱材入ってない」という噂の真相
• 気密性能を示すC値の基準とは
• 公称値を裏付ける気密測定の重要性
• 標準仕様で確保される断熱性能
• 気密性C値ランキングと気密性の高い家

ヘーベルハウスの欠点は何と言われるか

ヘーベルハウスの家づくりを検討していると、多くの方がその優れた耐震性や耐火性に魅力を感じます。一方で、ヘーベルハウスの欠点は何だろうと調べると、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが「気密性」に関するテーマです。

なぜなら、ヘーベルハウスが採用しているALCコンクリート「ヘーベル」は、素材そのものが持つ特性として、パネル同士の接合部に微細な隙間が生まれやすいと考えられているからです。もちろん、これは施工でカバーされる部分ではありますが、他の工法を採用するハウスメーカーと比較した場合、気密性能を示す数値がやや見劣りすることがある、というのが一般的な評判になっています。

また、快適な室内環境を保つためには、気密性だけでなく断熱性も大切です。この二つはセットで考えられることが多く、気密性に関する懸念が、断熱性、ひいては「冬は寒く、夏は暑いのではないか」という住み心地全体への不安につながることがあるようです。

ただし、これはあくまで一般的に言われている一面に過ぎません。現在のヘーベルハウスがどのような対策を講じているのか、そして施主として性能を高めるために何ができるのかを正しく理解することが、後悔しない家づくりへの第一歩と言えるでしょう。

「断熱材入ってない」という噂の真相

ヘーベルハウスについて調べていると、ごく稀に「お風呂の周りに断熱材入ってないらしい」といった、少しドキッとするような情報を見かけることがあるかもしれません。これは、過去に建てられた住宅の仕様や、インターネット上の一部情報が一人歩きしてしまった結果、生まれた噂のようです。

こうした話が出てくる背景には、住宅の断熱基準が今ほど高くなかった時代の家づくりがあります。例えば、20年ほど前に建てられた家では、浴室周りに断熱材を施工しないのが標準的だったケースも少なくありませんでした。

これを現在の基準で見れば「断熱材がない」ということになりますが、それは当時の技術水準では決して欠陥住宅というわけではなかったのです。

それでは、現在のヘーベルハウスはどうなのでしょうか。 データベース内の施主ブログの情報によれば、現在のヘーベルハウスでは、壁や屋根、床はもちろんのこと、ユニットバスの天井裏や床下にも「ネオマフォーム」という高性能なフェノールフォーム断熱材がしっかりと施工されています。

したがって、「断熱材入ってない」という噂は、現在の仕様には当てはまらないと考えて良いでしょう。家づくりは年々進化しており、昔の常識が今では通用しないことも多くあります。気になる点があれば、噂に惑わされず、担当者に直接確認してみることが大切です。

気密性能を示すC値の基準とは

家の快適さを左右する「気密性」ですが、その性能を客観的な数値で示したものが「C値（相当隙間面積）」です。これは、家の床面積1㎡あたりに、どれくらいの隙間が存在するかを㎠で表したもので、このC値が小さければ小さいほど「隙間が少なく、気密性が高い家」ということになります。

一般的に、C値が5.0㎠/㎡程度だと標準的な住宅、2.0㎠/㎡を下回ると「高気密住宅」と呼ばれることが多く、より性能を追求するハウスメーカーでは1.0㎠/㎡以下を基準にしているところも少なくありません。 例えば、床面積100㎡の家で考えてみましょう。

• C値5.0の場合：家全体の隙間は500㎠（A4用紙 約0.8枚分）
• C値1.0の場合：家全体の隙間は100㎠（はがき 約1枚分）
• C値0.5の場合：家全体の隙間は50㎠（はがき 約0.5枚分）

このように、C値が違うと家全体の隙間の大きさが大きく変わることが分かります。隙間が多ければ、いくら暖房や冷房を使っても熱が逃げてしまい、エネルギー効率が悪くなりますし、部屋ごとの温度ムラもできやすくなります。

ヘーベルハウスのC値は、公式に明確な目標値が提示されているわけではありませんが、一般的には2.0㎠/㎡前後になることが多いと言われています。これは、国が定める省エネ基準には問題ないレベルですが、近年増えている超高気密住宅（C値0.5以下など）と比較すると、少し物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

公称値を裏付ける気密測定の重要性

ハウスメーカーが示すC値は、あくまで目標値や平均的な数値です。実際の気密性能は、現場での施工精度によって一棟一棟ばらつきが生じるのが現実です。そこで大切になるのが、専門の機械を使って実際の家の隙間量を計測する「気密測定」です。

どれだけ高性能な建材を使っても、現場の職人さんが丁寧に作業を行い、隙間をきっちり塞いでくれなければ、カタログ通りの性能は発揮されません。気密測定は、そうした施工品質を客観的な数値でチェックするための、いわば「家の健康診断」のようなもの。これを行うことで、設計通りの気密性能が確保されているかを確認できるのです。

理想的なのは、建築途中の壁を張る前に行う「中間気密測定」と、すべての工事が完了した時点で行う「竣工時気密測定」の、合計2回実施すること。中間測定で基準値をクリアできていなければ、その場で隙間の原因を特定し、手直しをすることが可能です。

ヘーベルハウスでは、気密測定を標準で全棟実施しているわけではないようです。もし、ご自身の家の気密性能を確実に把握し、高い品質を担保したいと考えるのであれば、オプションで気密測定を依頼できるか、事前に担当者へ相談してみることをお勧めします。

測定費用はかかりますが、安心と快適な住環境を手に入れるための価値ある投資と言えるかもしれません。

標準仕様で確保される断熱性能

快適な住まいを実現するためには、気密性（C値）と合わせて、住宅の「断熱性能」も非常に大切です。断熱性能は「UA値（外皮平均熱貫流率）」という指標で表され、こちらは数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性が高いことを意味します。

ヘーベルハウスの標準仕様における断熱性能は、国が推奨する省エネルギー基準である「ZEH（ゼッチ）基準」をクリアしています。ZEH基準では、地域区分にもよりますが、UA値0.60W/㎡・K以下が求められており、ヘーベルハウスはこの基準を満たす性能を確保しています。

断熱材へのこだわり

ヘーベルハウスでは、主要な断熱材として、非常に高い断熱性能を持つフェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」を採用しています。

このネオマフォームは、熱の伝わりやすさを示す熱伝導率がトップクラスに低く、その性能が長期間にわたって劣化しにくいという特長を持っています。

屋根や壁、床といった建物の外周部にこのネオマフォームを適切に配置することで、外からの暑さや寒さの影響を受けにくい住環境をつくりだしています。

ただし、より高いレベルの快適性を求める場合、他のハウスメーカーの仕様も参考になります。例えば、「Asu-haus（アスハウス）」では、ZEH基準を大幅に上回る「断熱等級7（UA値0.26W/㎡K以下）」を標準仕様としています。

これは、国内でもトップクラスの断熱性能であり、ヘーベルハウスの標準仕様と比較すると、目指す性能レベルに違いがあることが分かります。

気密性C値ランキングと気密性の高い家

ヘーベルハウスの気密性について考えるとき、他のハウスメーカーがどのくらいの性能を持っているのか気になりますよね。ここでは、主要なハウスメーカーの公表C値や評判を基に、その立ち位置を見てみましょう。

C値は、小さいほど気密性が高いことを示します。気密性の高い家は、冷暖房の効率が良く、計画的な換気が行いやすいというメリットがあります。

ハウスメーカー	C値の目安（㎠/㎡）	特徴
一条工務店	0.5以下	業界トップクラスの気密性を誇り、全棟で気密測定を実施。
Asu-haus	0.2以下	断熱等級7とC値0.2以下を標準とし、圧倒的な性能を追求。
スウェーデンハウス	1.0以下（目標値）	北欧の思想に基づいた高気密・高断熱住宅が特長。
積水ハウス	1.0前後	仕様により差はあるが、比較的高い気密性能を持つ。
住友林業	1.0前後	木の家で知られるが、気密性にも配慮した家づくりを行う。
ヘーベルハウス	2.0前後	高気密住宅の基準は満たすが、上位メーカーには及ばない傾向。

※上記C値は公表データや一般的な評判に基づく目安であり、プランや施工によって変動します。

ランキングから見えること

このように比較してみると、ヘーベルハウスのC値2.0前後という数値は、一条工務店やAsu-hausのような超高気密を掲げるメーカーと比較すると、見劣りする可能性があります。

気密性の高い家ランキングで上位に来るメーカーは、C値1.0以下を標準とし、さらにその数値を保証するために全棟で気密測定を行っていることが多いです。

あなたが家づくりにおいて「とにかく光熱費を抑えたい」「少しの冷暖房で家中どこにいても快適な暮らしがしたい」と考えるなら、C値は非常に重要な判断基準になります。ヘーベルハウスの耐震性や耐久性といった強みと、気密性能という点を天秤にかけ、ご自身の優先順位を明確にすることが大切です。

ヘーベルハウスで気密性を高める方法

• 断熱材追加という選択肢と効果
• 重要な気密施工と気密テープの役割
• 高性能な断熱等級6と断熱等級7とは
• 結局、気密性の良いハウスメーカーはどこ
• まとめ：ヘーベルハウスの気密性を考える

断熱材追加という選択肢と効果

ヘーベルハウスの標準仕様でもZEH基準をクリアする断熱性能はありますが、「もっと快適な温熱環境にしたい」「将来のエネルギーコストを考えて、さらに性能を高めたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、オプションで断熱材を追加したり、仕様をグレードアップしたりする方法が考えられます。

例えば、壁や屋根に使用する高性能断熱材「ネオマフォーム」の厚みを増すことで、断熱性能（UA値）をさらに向上させることが可能です。断熱材が厚くなるほど、外の暑さや寒さをシャットアウトする力が高まります。特に、日射の影響を最も受けやすい屋根の断熱を強化することは、夏の室温上昇を抑えるのに非常に効果的です。

また、「付加断熱」という考え方もあります。これは、柱の間に断熱材を充填する「充填断熱」に加えて、建物の外側を板状の断熱材でさらに覆う「外張断熱」を組み合わせる工法です。これにより、熱が逃げる原因となる熱橋（ヒートブリッジ）を減らし、建物全体の断熱性を格段に高めることができます。

ただし、これらの断熱材追加や仕様変更には、当然ながら追加のコストが発生します。どのくらいの性能向上に、どれくらいの費用がかかるのか、費用対効果をしっかりと見極めることが大切です。設計段階で、断熱性能を上げた場合の光熱費シミュレーションなどを担当者にお願いしてみるのも良い方法かもしれません。

重要な気密施工と気密テープの役割

どれだけ高性能な断熱材を使っても、家に隙間があっては意味がありません。その隙間をなくし、計画通りの気密性能を実現するために不可欠なのが、現場での丁寧な「気密施工」です。

気密性を高める上で主役となるのが、「気密シート」と「気密テープ」です。気密シートは、壁の内側などに連続して貼り巡らせることで、空気の漏れを防ぐバリアの役割を果たします。そして、そのシートの継ぎ目や、コンセントボックスの周り、窓サッシとの取り合い部分など、どうしても隙間ができやすい箇所を、専用の気密テープで目張りしていくのです。

この作業は、非常に地道で手間がかかります。ミリ単位の隙間も見逃さない、職人さんの丁寧な仕事ぶりが、住宅の性能を大きく左右すると言っても過言ではありません。言ってしまえば、家の性能は現場の技術力にかかっている部分が大きいのです。

もしあなたがヘーベルハウスで高い気密性を目指すのであれば、契約前に「どのような気密施工を行っているのか」「気密テープなどを使った具体的な処理方法」について、詳しく確認しておくことをお勧めします。

施工中の現場を見学させてもらう機会があれば、そうした細かい部分に目を向けてみるのも、安心につながる一つの方法です。家の性能は、見えなくなってしまう部分の施工品質によって支えられているのです。

高性能な断熱等級6と断熱等級7とは

最近の家づくりでは、「断熱等級」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、住宅の断熱性能を客観的に評価するための公的な基準で、等級の数字が大きいほど性能が高いことを示します。

2022年に新設された基準で、特に注目されているのが「断熱等級6」と「断熱等級7」です。

断熱等級6

これは、暖房を消しても室温が下がりにくく、少ないエネルギーで家中を暖かく保てるレベルの性能を示します。具体的には、UA値が0.46W/㎡K以下（地域区分による）という、ZEH基準よりもさらに厳しい基準です。このレベルになると、冬場のヒートショックのリスクを大幅に低減できると言われています。

断熱等級7

こちらは現在の最高等級であり、UA値0.26W/㎡K以下（地域区分による）という、まさにトップクラスの性能です。ここまでくると、暖房に頼らなくても、日中の太陽の光や人の体温、家電製品から出る熱といった「生活熱」だけで、冬でも室内の暖かさをかなり維持できるレベルになります。「Asu-haus」は、この断熱等級7を標準仕様としています。

ヘーベルハウスの標準仕様は、これらの等級が制定される前のZEH基準（断熱等級5相当）を想定しています。もちろん、オプションで断熱材の仕様を上げることで断熱等級6や7に近づけることは可能かもしれませんが、標準でこのレベルの性能を提供するハウスメーカーも存在するという事実は、知っておくと良いでしょう。どのレベルの快適性を求めるかによって、選ぶべきハウスメーカーや仕様も変わってくるのです。

結局、気密性の良いハウスメーカーはどこ

ヘーベルハウスの強みは理解しつつも、やはり気密性や断熱性といった温熱環境を最優先に考えたい、という方もいらっしゃると思います。そのような場合、どのようなハウスメーカーが選択肢になるのでしょうか。

データベース内の情報や一般的な評判を基にすると、特に高い気密・断熱性能で知られるメーカーとして、以下のような名前が挙げられます。

一条工務店

「家は、性能。」というキャッチコピーの通り、業界でもトップクラスの性能を追求していることで有名です。特にC値は実測で平均0.5㎠/㎡以下という非常に高い水準を誇り、全棟で気密測定を行っている点も安心材料です。

Asu-haus（旭化成ホームズ）

ヘーベルハウスと同じ旭化成ホームズが展開するブランドですが、こちらは性能に特化しています。断熱等級7（UA値0.26以下）、C値0.2以下を標準仕様としており、国内最高レベルの温熱性能を目指しています。

スウェーデンハウス

北欧の厳しい冬で培われた家づくりのノウハウを活かし、木製サッシ3層ガラス窓などを標準採用することで、優れた気密・断熱性能を実現しています。

これらのハウスメーカーは、気密・断熱性能を住宅の最も重要な価値の一つと位置づけており、そのための技術開発や施工管理に力を入れています。もし、あなたが性能を最重要視するなら、これらのメーカーの資料を取り寄せたり、モデルハウスを体感してみたりすることをお勧めします。

それぞれのメーカーが持つ思想やデザインの違いも比較検討することで、あなたにとって本当にベストな一社が見つかるはずです。

まとめ：ヘーベルハウスの気密性を考える

ここまで、ヘーベルハウスの気密性について、様々な角度から見てきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめておきましょう。

• ヘーベルハウスの気密性はC値2.0前後が一般的と言われる
• この数値は省エネ基準は満たすが高気密住宅としては標準的なレベル
• 一条工務店やAsu-hausなどC値1.0を大きく下回るメーカーもある
• 気密性が低いと冷暖房効率が悪化し光熱費が上がる可能性がある
• 家の隙間を示すC値は数値が小さいほど高性能
• 「断熱材入ってない」という噂は過去の仕様で現在は高性能断熱材を施工
• 気密性能は現場での丁寧な気密施工によって大きく左右される
• 気密テープや気密シートを使った目張り作業が品質の鍵を握る
• 実際の性能を確認するにはオプションで気密測定を依頼するのが確実
• 断熱性能を示すUA値も重要でC値とセットで考える必要がある
• 断熱材の追加や厚み変更で標準仕様以上の性能を目指すことも可能
• 近年はより高性能な断熱等級6や断熱等級7が注目されている
• ヘーベルハウスの強みは耐震性や耐火性、ALCパネルの耐久性
• 何を最も重視するか、家づくりにおける優先順位を明確にすることが大切
• 複数のハウスメーカーを比較検討し自分の価値観に合う会社を選ぶ