一条工務店のV2Hは後付けできる？価格・補助金・欠点を解説

一条工務店の高性能な住宅で、電気自動車（EV）の電気を活用するV2Hシステムに興味をお持ちではないでしょうか。

「一条工務店でV2Hを導入したいけど、そもそもV2Hの欠点は何ですか？と不安に感じたり、新築時に決めきれなくても後付けはできるのかな？と考えたりしますよね。

また、太陽光発電と組み合わせた時に後悔しないための賢い使い方や、一条工務店のオプションである電力革命の価格、国から受けられる補助金についてもしっかり知っておきたいところです。

さらに、V2Hのメーカーでおすすめのメーカーはどこなのか、V2Hは何年くらい持ちますか？という寿命に関する疑問、設置に必要なケーブルの種類や、お得なキャンペーン情報まで、気になることはたくさんあると思います。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消していきますね。

一条工務店でV2Hを導入する前に知るべきこと

• V2Hの欠点は何ですか？注意点を解説
• V2Hを後付けする場合のポイントと費用
• 一条工務店のV2Hはオプションで可能か
• 電力革命の価格とV2H導入コスト比較
• V2Hの導入で使える国の補助金制度

V2Hの欠点は何ですか？注意点を解説

V2Hはとても便利なシステムですが、導入前にはいくつかの注意点を理解しておくことが大切です。

まず考えられるのは、導入にかかる初期費用です。V2Hシステムを利用するためには、電気自動車とご家庭の分電盤をつなぐ「V2H充放電設備」という機器が必要になり、機器本体の価格と設置工事費を合わせると、まとまった費用がかかります。

次に、V2Hシステムを利用できる電気自動車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）の車種が限られている点も注意が必要です。せっかくV2Hを設置しても、お持ちの車や将来購入したい車が対応していなければ、その機能を十分に活かすことができません。

また、設置には屋外にV2H充放電設備を置くためのスペースと、そこから屋内の分電盤まで配線を通す工事が必要になります。特に後付けの場合は、建物の状況によって工事が大がかりになる可能性も考えられます。

これらのことから、V2Hの導入を検討する際は、費用や対応車種、設置スペースといった点を事前にしっかりと確認し、ご自身のライフスタイルに合っているかを慎重に判断するのが鍵となりますね。

V2Hを後付けする場合のポイントと費用

「新築の打ち合わせ時には決めきれなかったけど、やっぱりV2Hが欲しいな」と考えた場合、一条工務店の家にV2Hを後付けすることは可能です。ただ、後付けをスムーズに進めるためには、いくつかのポイントがあります。

最も大切なのは、家を建てる段階で「先行配管」をしておくことです。これは、将来V2Hのケーブルを通すための空の管を、あらかじめ屋外から屋内の分電盤近くまで設置しておく工事のことです。

データベースの情報によれば、一条工務店では直径28mmの配管を3本通しておくことが推奨されているようです。この先行配管があれば、後付けの際に壁に大きな穴を開けるといった大がかりな工事を避けられ、費用も抑えやすくなります。

もし先行配管がない場合は、建物の基礎に穴を開けて配線を通すなどの方法が考えられますが、工事が複雑になり費用が高くなる可能性があります。加えて、建物の保証に影響が出るケースも考えられるため、事前に一条工務店のアフターサポートなどに確認することが不可欠です。

費用面では、先行配管のオプション費用は数万円程度とされていますが、後から配管工事を行う場合はそれ以上の費用がかかることが一般的です。したがって、将来的に少しでもV2Hを導入する可能性があるなら、新築時に先行配管だけでも施工しておくのが賢明な選択と言えそうです。

一条工務店のV2Hはオプションで可能か

一条工務店では、V2Hシステムを「オプション」として導入することが可能です。

特に、2023年に発表された「電力大革命」というパッケージプランには、「オリジナルV2Hシステム」が含まれています。これは、従来の太陽光発電と蓄電池のセット「電力革命」をさらに進化させたもので、V2H機能が標準で組み込まれているのが大きな特長です。

このオリジナルV2Hシステムを導入すると、太陽光発電でつくった電気や、電気料金の安い深夜に蓄えた電気を、ご自宅から電気自動車へ充電できます。そして、ここからがV2Hの真骨頂ですが、停電が発生した際には、電気自動車に蓄えられた大容量の電気をご家庭に供給し、非常用電源として活用できるのです。

一条工務店のシステムとして提供されているため、住宅との連携もスムーズで、安心して導入できるのは大きなメリットですね。V2Hを社外品で探す手間なく、家づくりの一環としてワンストップで計画できるため、これから一条工務店で家を建てる方にとっては、非常に魅力的な選択肢の一つと考えられます。

電力革命の価格とV2H導入コスト比較

一条工務店でV2Hを検討する際、気になるのが価格ですよね。一条工務店には「電力革命」と、V2Hが含まれる「電力大革命」という2つのパッケージがあり、それぞれの価格と内容を比較してみましょう。

パッケージ名	主な設備	オプション価格（目安）
電力革命	・太陽光パネル<br>・蓄電池<br>・パワーコンディショナー	約230万円前後
電力大革命	・太陽光パネル<br>・蓄電池<br>・パワーコンディショナー<br>・オリジナルV2Hシステム	約260万円前後

このように、「電力大革命」はV2Hシステムが加わることで価格が上がりますが、その差額は約30万円前後とされています。

この価格がどれだけお得かというと、もし他社で同等規模の太陽光パネル（13kWh程度）、蓄電池（7kWh程度）、そしてV2Hシステムを個別に設置した場合、一般的には合計で500万円近くかかっても不思議ではありません。

一条工務店がこの価格で提供できる理由は、太陽光パネルや蓄電池などを自社グループ工場で生産しているため、高品質な製品をコストを抑えて提供できるからです。言ってしまえば、V2H導入のコストパフォーマンスは非常に高いと考えられます。

V2Hの導入で使える国の補助金制度

V2Hシステムの導入費用は決して安くはありませんが、国や自治体が実施している補助金制度を活用することで、初期費用を大きく軽減できる可能性があります。

国が実施している代表的な補助金としては、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金（CEV補助金）」などが挙げられます。この補助金は、V2H充放電設備の購入費や工事費の一部を補助してくれる制度です。年度によって予算や補助額、対象となる機器の条件などが変わるため、常に最新の情報を確認することが大切になります。

また、国だけでなく、お住まいの都道府県や市区町村が独自にV2H設置に関する補助金制度を設けている場合もあります。国の補助金と併用できるケースもあるため、こちらも見逃さずにチェックしたいところです。

これらの補助金を申請するには、認定された機器を導入することや、定められた期間内に申請手続きを完了させることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。手続きが少し複雑に感じられるかもしれませんが、一条工務店の営業担当者の方や施工業者が申請をサポートしてくれることも多いです。

補助金をうまく活用すれば、数十万円単位で負担を減らせることもありますので、V2H導入を具体的に進める際には、まず利用できる補助金がないか調べてみることを強くおすすめします。

一条工務店のV2Hを賢く活用する方法

• 停電時や日常でのV2Hの便利な使い方
• V2Hの設置に必要な専用ケーブルとは
• V2Hは何年くらい持ちますか？寿命の目安
• 太陽光発電との連携で後悔しない方法
• お得に導入できるキャンペーン情報
• おすすめV2Hメーカーと一条工務店のV2H総括

停電時や日常でのV2Hの便利な使い方

V2Hシステムは、もしもの時も、普段の暮らしも、どちらも豊かにしてくれる賢い設備です。その便利な使い方を具体的に見ていきましょう。

災害などによる停電時の使い方

V2Hが最も真価を発揮するのが停電時です。一般的な家庭用蓄電池の容量が7kWh前後なのに対し、電気自動車（EV）は40kWhや60kWhといった大容量のバッテリーを搭載しています。このため、EVを「移動できる巨大な蓄電池」として活用できるのです。

一条工務店のシステムでは最大5.5kVAの電力を供給できるため、停電時でも照明や冷蔵庫はもちろん、エアコンやエコキュートでお湯を沸かすことまで可能になります。数日間にわたって電気が復旧しないような状況でも、普段に近い生活を維持できる安心感は、何物にも代えがたいメリットですね。

日常生活での経済的な使い方

V2Hは、普段の電気代を節約するための強力なツールにもなります。

一つは、太陽光発電の電気を有効活用する方法です。日中に太陽光で発電した電気のうち、ご家庭で使いきれなかった余剰電力を、売電する代わりにEVへ充電します。そして、発電できない夜間にその電気をご家庭で使うことで、電力会社から買う電気を減らし、電気の自給自足率を高めることができます。

もう一つは、電気料金プランを賢く利用する方法です。電気料金が割安になる深夜帯にEVを充電し、電気料金が高い昼間の時間帯にEVの電気をご家庭で使う「ピークシフト」という使い方も可能です。

このように、V2Eは災害への備えと日々の光熱費削減を両立できる、とても合理的なシステムと言えます。

V2Hの設置に必要な専用ケーブルとは

V2Hシステムを機能させるためには、専用の設備とそれを接続するケーブルが必要です。よくあるEVコンセントとの違いを理解しておくと分かりやすいですよ。

一般的な「EVコンセント」は、ご家庭の電気を電気自動車（EV）に送って充電するための、一方通行の設備です。壁に設置されたコンセントから、EV付属の充電ケーブルをつないで使います。

一方、「V2H」は、家とEVの間で電気を双方向に行き来させるためのシステムです。これを実現するために、「V2H充放電設備」という箱型の機器を屋外に設置します。この機器には、家側の分電盤につながるケーブルと、EVに接続するための専用の充放電ケーブルが付いています。

つまり、V2Hを使うためには、充電・放電をコントロールする本体機器と、そこから伸びる少し太めの専用ケーブルが必要になる、ということです。このケーブルは機器と一体になっていることが多く、プラグの形状も急速充電で使われるCHAdeMO（チャデモ）規格に対応しています。

設置の際は、このV2H充放電設備の置き場所と、そこから駐車スペースのEVまでケーブルが無理なく届くか、という動線計画も考えておく必要がありますね。

V2Hは何年くらい持ちますか？寿命の目安

V2Hシステムの導入を考えるとき、「一体、何年くらい使えるの？」という寿命はとても気になりますよね。

まず、電気のコントロールを行う「V2H充放電設備」本体の寿命ですが、一般的には10年～15年が目安とされています。これは電子機器なので、使用環境や製品によっても変わってきます。

そして、V2Hシステムの寿命を考える上でもう一つ大切なのが、電気を貯める役割を担う「電気自動車（EV）のバッテリー」の寿命です。バッテリーは充放電を繰り返すことで少しずつ劣化していきます。V2Hを頻繁に利用すると、それだけ充放電のサイクルが増えるため、EVを単に移動手段として使う場合に比べて、バッテリーの寿命に影響を与える可能性は考えられます。

ただ、最近のEVバッテリーは非常に高性能で耐久性も高くなっていますし、多くのメーカーが長期間のバッテリー容量保証を付けています。

一条工務店が採用しているオリジナルの家庭用蓄電池は、一般的な製品の2倍にあたる12,000サイクルという長寿命を誇ります。このように、一条工務店はエネルギー関連設備の耐久性にもこだわっているため、V2Hシステムについても長期的に安心して使えるような工夫がされていると考えられます。

太陽光発電との連携で後悔しない方法

太陽光発電とV2Hは、まるでセットで使うために生まれたかのような、非常に相性の良い組み合わせです。この連携を最大限に活かし、後悔しないためのポイントをお伝えしますね。

最大のメリットは、電気の自給自足率を飛躍的に高められることです。最近は太陽光発電の売電価格が下がってきているため、発電した電気は売るよりも自家消費した方が経済的に有利なケースが多くなっています。日中に発電した余剰電力を、捨てたり安く売ったりするのではなく、V2Hを通じてご自身の電気自動車（EV）に貯めておけるのは、とても合理的です。

後悔しないためには、ご家庭のライフスタイルに合わせた運用計画を立てることが鍵となります。例えば、昼間に車をあまり使わないご家庭であれば、日中の発電電力でEVを満タンにしておき、夜間にその電気を使うことで、電気代を大幅に削減できます。逆にお昼に車で出かけることが多い場合は、タイマー機能などを活用して、帰宅後の深夜電力で充電し、次の日の昼間の電気を賄うといった使い方も考えられます。

ご家庭の1日の電気使用量、太陽光の発電量、そしてEVの利用パターンをシミュレーションし、最適な充放電のタイミングを見つけること。これが、太陽光発電とV2Hの連携を成功させ、後悔なくその恩恵を享受するための最も大切なステップになります。

お得に導入できるキャンペーン情報

V2Hシステムをお得に導入する方法として、補助金と並んで見逃せないのが、一条工務店が独自に実施するキャンペーンです。

一条工務店では、創立記念などの節目や、新しい商品がリリースされたタイミングで、特定のオプションをお得な価格で提供するキャンペーンを行うことがあります。過去にも、「電力革命」が特別価格で提供された例がありました。

もし、このようなキャンペーン期間中に契約できれば、通常よりも費用を抑えてV2Hを含む「電力大革命」を導入できるかもしれません。キャンペーンは期間限定で、いつ実施されるかは事前に公表されないことも多いです。

そのため、一条工務店での建築を具体的に検討し始めたら、展示場を訪れた際や打ち合わせの際に、営業担当の方に「V2Hに関するキャンペーンの予定はありますか？」と直接尋ねてみるのが一番確実な方法です。

すぐに建築を考えていなくても、将来的な情報収集としてアンテナを張っておくと、思わぬチャンスに巡り会えるかもしれません。補助金制度とキャンペーンをうまく組み合わせることで、初期費用を大きく抑えて、賢くV2Hのある暮らしをスタートできる可能性がありますね。

おすすめV2Hメーカーと一条工務店のV2H総括

V2Hシステムの導入を考えたとき、一条工務店のオプション以外では、専門メーカーの製品を選ぶことになります。市場で高いシェアを誇る代表的なメーカーとしては、ニチコンが挙げられます。ニチコンは世界で初めてV2Hシステムを開発した企業としても知られ、豊富なラインナップと高い信頼性で多くの実績があります。

ただ、一条工務店で建てる場合は、家全体のシステムとの連携や保証を考えると、やはり「電力大革命」に含まれるオリジナルV2Hシステムを選ぶのが最もスムーズで安心感が高い選択と言えそうです。

最後に、この記事で解説した一条工務店のV2Hに関するポイントをまとめてみましょう。

• 一条工務店ではV2Hをオプションで導入可能
• V2H機能を含むパッケージは「電力大革命」
• V2Hの初期費用や対応車種が限られる点は主な欠点
• 新築時に先行配管をしておくと後付けがスムーズ
• 後付け自体は可能だが新築時よりコストがかかる場合がある
• 一条工務店のパッケージは市場価格と比較して割安
• 国や自治体の補助金制度を活用すると費用を軽減できる
• 停電時にはEVが巨大な非常用電源として活躍する
• 日常では太陽光の自家消費率アップやピークシフトで電気代を節約
• V2Hには専用の充放電設備とケーブルが必要
• 機器の寿命は10年～15年が目安
• 太陽光発電とV2Hは非常に相性が良い組み合わせ
• ライフスタイルに合わせた運用計画が後悔しないための鍵
• 一条工務店独自のキャンペーンでさらにお得になる可能性も
• 一条工務店のV2Hは家全体のシステムとして導入できる安心感がある